脇が臭うからと言って必ずしもワキガであるわけではないところに判断の難しさがあります。
ニオイの原因がワキガなのか他のものなのかによって対応策が異なるケースも考えられるので、まずはワキガの可能性があるのかどうかをセルフチェックで探ってみましょう。
ワキガ体質診断チェック
■親やきょうだいにワキガの人がいる
■耳垢が湿ったネバネバ状である
■脇に汗をかくと衣服の脇部分が黄ばむ
■脇毛に白い粉状のものがつく
■(女性)脇毛が太く、濃い/(男性)脇毛が柔らかく、薄い
当てはまるものが多ければ多いほどワキガである可能性は高くなります。また、上位のものに当てはまるほどワキガ体質である確率が高いと言えるでしょう。
※このセルフチェックのみで100%ワキガかどうかを断定できるわけではありません。あくまでも目安とお考えください。
親やきょうだいにワキガの人がいる
これまでの研究からワキガは遺伝することがわかっています。体臭の強弱は食べ物や体調などによって左右されますが、ワキガ体質であるかどうかに関してはほとんどが遺伝で決まってしまうことになりますね。
ワキガ体質の遺伝子をA、ワキガでない人の遺伝子をaとしましょう。
遺伝子の組み合わせとしては「AA」「Aa」「aa」の3通りが考えられるわけですが、ワキガは優性遺伝(発現しやすい遺伝)なので、「AA」だけでなく「Aa」の組み合わせでもワキガ体質として現れることになります。
つまり両親ともワキガであれば高確率で、片方でもワキガであれば半分以上の確率で子供もワキガ体質となります。
子供にきょうだいがいれば、計算上、両方もしくはどちらかにワキガ体質が受け継がれる可能性が高くなると言えます。
耳垢が湿ったネバネバ状
耳の中にはエクリン腺は存在せず、アポクリン腺のみが存在しています。耳垢が湿ったり粘ったりするのは耳の中のアポクリン腺が発汗するからだと考えられます。
もちろん耳の中のアポクリン腺が発達しているからと言って、脇のアポクリン腺も100%同様であるとは限らないのですが、確率的にはワキガ体質である可能性が高くなります。
逆に耳垢が乾いた粉状であれば、ワキガである可能性はほとんどありません。
脇のアポクリン腺は思春期になる頃に発達するのに対して、耳の中のアポクリン腺は子供の頃から発達します。そのため、より早期での判断が可能となる項目でもあります。
脇に汗をかくと衣服が黄ばむ
アポクリン腺からかく脇汗にはたんぱく質や脂質、ミネラルなど、水分以外の様々なものが含まれています。
この中にはエクリン腺からの汗には存在しない、色素成分が含まれていることがあります。そのため、脇に汗をかいて衣服がよく黄ばむ場合にはワキガが疑われるということになります。
ただ、ワキガでなくても汗で衣服が黄ばむケースは少なからず起こることなので、100%ワキガであると断定するのは難しいでしょう。
脇毛に白っぽい粉状のものがつく
アポクリン腺から分泌された汗の水分が蒸発すると、後にはその内容物が乾いて脇毛に付着します。
付着した粉は白かまたは薄い黄色で、刺激臭がするケースが多く見られます。
アポクリン腺からの汗が少ない人やエクリン腺からの発汗のみの人には、この現象はほとんど起こりません。ただしワキガでもこの現象が起こらない方もいらっしゃいます。
脇毛の濃さ・太さ
女性でワキガの方は脇毛が濃く太い傾向にあります。男性の場合にはこの逆で、ワキガの方は脇毛が薄く柔らかい傾向にあります。
しかしこれはあくまでも傾向にしか過ぎませんので、参考程度にとどめてください。
※ここでご紹介した項目は、ワキガ体質である可能性を示したもので、いくつ当てはまるからワキガである、と断定するものではありません。
最終的には専門家に診てもらって判断するのが最も確実な方法だと言えるでしょう。