脇が臭う(クサイ)原因

ワキガ

脇が臭う(クサイ)原因

脇が臭う原因は主に4つに分けることができます。まずはそのニオイがどの原因によるものなのか、それぞれの可能性を探っていきましょう。

ワキガが原因

一般的に言われる「汗臭さ」とは少し違った独特の強いニオイを脇の下から発する体質のことをワキガ、もしくは腋臭症(えきしゅうしょう)と言います。原因は汗腺のひとつ「アポクリン腺」から出る汗で、この体質を持つ人は日本人では約10%程度だと言われています。

ワキガのニオイは汗とともに発せられること、日本人は特に匂いに敏感な民族であることなどから、ワキガはどうしても大きな悩みへと発展しがちです。しかし不衛生にしているから臭うようになるというわけではありません。あくまでもワキガは体質なのです。

ちなみに世界的に見れば、黒人はほぼ100%、白人は約80%の人がワキガであるとのデータがあります。ところが日本人を含む東アジアの民族は特殊で、ワキガの人は約5~20%に程度しかすぎません。この違いはわたしたちの先祖が気候に適応して体質が変化したものだと考えられています。

一種の病気であるかのように語られがちなワキガですが、実はヒトの特徴としては、ワキガ体質であるほうが「普通」なんですね。

汗が原因

ワキガ体質でなくても、汗がニオイの原因となることは少なくありません。後でも詳しくご紹介しますが、アポクリン腺ではないほうの汗腺「エクリン腺」から出る汗は本来ほとんど無臭です。ではニオイのないはずの汗がなぜ臭うようになるのでしょうか。それには次のような理由が考えられます。

汗をかいた部位に雑菌が繁殖した

かいたばかりの汗はほとんど臭いませんが、それをそのまま放置していると時間とともに匂いを放つようになります。これは汗をかいた部位に雑菌が繁殖するから。人の皮膚に常駐する菌が汗や皮脂などを絶好の養分として増え続け、どんどんその養分を分解していきます。それがニオイとなるのです。

脇の下は閉じた空間になっていますから、高温多湿になりがちです。汗をかきやすい上に雑菌が繁殖しやすい条件が揃っているわけです。汗をかくと脇の下が臭ってくるのはそのためで、これを防ぐには汗をかいたらすぐに清潔にするしか方法はありません。

精神性発汗

さきほどエクリン腺から出る汗はほとんど無臭だとご説明しました。しかし例外的にエクリン腺からもニオイを伴う汗をかくことがあります。緊張や興奮、驚きなど感情の動き、ストレスから起こる汗、つまり精神性発汗のケースです。

精神性発汗の場合、一気に汗をかくことが多いため、通常は混じるはずのないミネラル成分や尿素などが汗に混じって一緒に放出されます。このときにかくのはベタベタドロドロした濃い汗で、ワキガに近いような強いニオイを伴うことも珍しくありません。

皮脂の酸化が原因

皮膚には汗を分泌する汗腺の他に、皮脂腺という腺も存在しています。皮脂腺はそれぞれの毛穴に開口する腺で、肌に潤いをもたらし保護するための皮脂を分泌しています。しかしこの皮脂の分泌が多すぎると肌が汚れ、時間とともに酸化してニオイの元になってしまいます。

皮脂腺は全身に分布していますが、全ての皮脂腺が活発に活動しているわけではありません。最も活動が盛んなのは頭皮、ついで顔のTゾーンなど。脇の下も活発な部類に入るので要注意なのです。

また、皮脂腺から分泌される皮脂が汗と混じると、汗のニオイがより強くなってしまいます。皮脂の分泌が多く汗かきの方は、こまめなケアが必要となります。

体臭が原因

ワキガ体質でなく、汗をそれほどかいていなくても、強いニオイを持つものを飲食したことや、体調、年齡などによって脇が臭うことがあります。体臭や加齢臭は毛穴を通って発散されるので、脇のみが臭うというよりも全身が臭ってしまうのですが、汗や汗腺の多さから脇がより強く臭ってしまうというわけです。

加齢臭についてはかつては中高年男性特有のものとして捉えられていましたが、最近では女性や若年層でも加齢臭やそれに類するニオイが見られることがわかっています。ニオイの原因は資生堂によって発見されたノネナールが有名。しかしその後の研究で、ライオンによりペラルゴン酸、マンダムによりジアセチルもニオイの原因物質であることが特定されています。