デリケートゾーンのにおいが気になりだしたり、すそわきがだとわかったりしたら、1秒でも早く不快なにおいの対策をしたいと思いますよね。
デリケートゾーンのにおいを発生しにくくしたり、すそわきがを治したりするにはどうすればよいのでしょうか。
すそわきがではないけれどにおいが気になるという程度であれば、セルフケアだけでもにおいを大幅に改善できる可能性が高いです。
また、すそわきがの方も度合いによってはセルフケアで軽減できたり、セルフケアだけでは足りないと感じる方はクリニックでの治療を検討してみてもよいかもしれません。
クリニックでの治療に関しては、費用や保険適用の可否、メリットだけでなくデメリットもご紹介していきます。
市販のケア用品を使う
デリケートゾーン専用石鹸だけでなく、デリケートゾーン専用のデオドラントケア用品も販売されています。
脇などに使う制汗剤スプレーなどはデリケートゾーンに使用できませんが、デリケートゾーン専用のデオドラントケア商品なら安心して使うことができます。
デリケートゾーン専用石鹸で正しく洗浄し、汚れをきちんと落とした状態で、デリケートゾーン専用デオドラントグッズを使うことでにおいを発生させにくくし、においの軽減に役立つかもしれません。
また、ドラッグストアの生理用品コーナーにはデリケートゾーンを拭くためのウェットティッシュのような商品が売られていることも多いです。
トイレに流すことができるタイプのものは処理が簡単ですし、外出先でビデがないときやビデを使いたくないときにおりものや経血を拭き取ってデリケートゾーンを清潔に保つことができるのでおすすめです。香りつきのものもあります。
ミョウバン水を使う
体臭をおさえるのによく使われるミョウバン水ですが、デリケートゾーンに対しては、安全のためにミョウバンを使わないほうがいいという意見もあるようです。
ただ、デリケートゾーン専用のケア用品のなかにもミョウバンを含むものもあり、絶対に使用してはいけないというわけでもないようです。
ミョウバンの効果には興味があるけれど場所が場所なだけに心配という場合は自分でミョウバン水を作るよりも、デリケートゾーン専用ケア用品でミョウバンが使われているものを使った方が安心だと思います。
蒸れにくい下着を履く
下着によって締め付けていたり、汗を吸わない化繊の下着をつけていると通気性が悪くなってしまいます。「かっこ悪い…」と思わず、綿やシルクの締め付けの少なく蒸れにくい下着に替えてみましょう。
かわいいデザインの下着を探すのも案外楽しいかもしれません。仕事などでストッキングを着用しなければならなこともあるかもしれませんが、ガータータイプのストッキングを着用すればデリケートゾーンの通気性をよくすることができます。
筆者は学生のころスカートで過ごすことが多く、電車通学でしたので階段などが気になり、必ず下着見え防止のためストッキングの上から一部丈のレギンスを履いていました。
ショーツ、ストッキング、レギンス、スカート…と夏場はとても暑く、もっと快適に過ごせないか色々考えた結果が、膝上丈のストッキングを着用するということでした。
蒸れにくいですし、お手洗いのときの上げ下ろしもストッキングがないだけですごく楽です。ガーターベルトの購入や装着が面倒と思う方は、太もも部分への締め付けはやや強くなるかもしれませんが、ガーターベルトが要らないタイプの膝上ストッキングもあります。意外とずり落ちてこないのでおすすめです。
生理時にナプキンを頻繁に交換する
生理のときに使うナプキンや、生理日以外に使うおりものシートは汚れていなくてもこまめに交換するとにおいがしにくくなります。ナプキンやおりものシートは、つけているだけで通気性が悪くなり、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
かといってつけないわけにもいかないので、トイレに行くたびに交換するか、交換するためにトイレに行く回数を増やすくらいの意識を持っていてもよいと思います。
おりものシートを上手に使用すると下着を汚さずに済みますし、こまめに交換すればデリケートゾーンに触れる部分はそのたびに新しい下着をつけているのに近い状態にできるので雑菌も繁殖しにくく、においがしにくくなります。
消臭に着目している商品もありますが、消臭機能があるから大丈夫と油断したり、もったいぶって交換する回数を減らしては意味がありません。どんなナプキンやおりものシートでも、こまめに交換するほうがにおいを抑えるのには役に立つはずです。
食べ物に気を付ける
にんにく、たまねぎ、らっきょうなどのアリシンという成分を含む食べ物はデリケートゾーンのにおいをきつくしてしまう可能性があります。
これはデリケートゾーンに限ったことではなく、脇などの体臭を強くしてしまうので特に接客業やデートの予定がある方は気をつけるようにしたいですね。
また、動物性の脂質、たんぱく質を摂ると体臭が強くなるといわれていますので、お肉をたくさん食べている方は少し控えてみてもよいでしょう。代わりに大豆などの植物性のたんぱく質で補うと栄養バランスを崩さずに済みます。
アンダーヘア脱毛(VIO)を検討する
毛が多いと蒸れやすく、汗もかきやすくなります。毛が多かったり太かったりする方は、すそわきがになりやすいともいわれています。
アンダーヘア脱毛をすることでにおいが軽減されるかもしれません。思い切って完全に脱毛することも検討してみると良いかもしれません。
筆者はVIOを脱毛しましたが、少しだけ毛を残しています。剃って完全に無毛状態(ハイジニーナ)にしたらショーツやナプキンとの摩擦で逆にかぶれやすくなったからです。
このようなパターンもあるので、絶対に完全に毛がないほうが良いとは言い切れませんが、剛毛の状態を放置するのはおすすめできません。
毛をなくすまではいかないにしても、減らすことは考えた方がよいでしょう。医療脱毛やエステ脱毛では毛が徐々に減って細くなるので、自分が快適に過ごせる程度まで処理するのがベストです。
痛みなど脱毛が怖い場合や費用的に余裕がない場合は、アンダーヘア専用のトリマーでカットするのがおすすめです。
ヒートカッタータイプのものは、熱で毛を処理するので毛先が丸くなってチクチクしにくいです。
カットするだけでも毛が減ることで格段に快適に過ごせるはずです。ヒートカッターの値段は2,000円前後で、費用も脱毛ほどかからないのですぐに実行することができます。
保険適用は?「すそわきが」を病院で様々な方法で治療する
ボトックスで陰部の発汗を抑える
ボトックス注射は美容外科などで受けることが出来ます。ボツリヌストキシンを注射することで汗腺のはたらきを弱めることができ、汗の量やにおいの軽減につながります。
外性器周辺と陰毛部に注射を打つだけなので、手術のようにメスを使わず、15分程度の短い施術時間で済みます。
効果は個人差がありますが3~10か月程持続するので、汗をかきやすい夏の前に施術を受ける方もいるようです。
すそわきがに対するボトックス注射の保険適用はないようですので、自費診療になります。値段はクリニックによってばらつきがありますが、15万円程度が目安です。
中には3万円など安い料金を提示していることがありますが、注射1本分の値段であることも。すそわきが改善に必要な本数の注射をするとやはり10万円程度の出費を予定しておいたほうがよさそうです。
ボトックス注射を受ける注意点としては、注射当日は激しい運動をしない、数日間は陰部周りに刺激を与えず性交渉も控える、治療日から月経が2周期くるまでは避妊が必要ということがあります。妊娠を考えている方はこれらの注意点も考えるようにしましょう。
手術してアポクリン汗腺を除去
すそわきがの手術は、形成外科や美容外科で受けることが可能です。すそわきがでの手術には保険適用が基本的にはないようで、全て自費となるため費用が高額です。
だいたい35万円程度の費用がかかりますが、ボトックス注射を何回もするのであれば…と考えると検討する範囲に入ってくるのではないでしょうか。わきがに対しての手術には、「剪除法(せんじょほう)」や「皮下組織削除法」といった方法がありますが、デリケートゾーンにこの方法を適用するのは難しいため、「超音波吸引法」という方法で行われます。
超音波吸引法は、局部麻酔を行ってから1~2センチほど切開し、超音波メスを皮下にいれます。先端から超音波が出るので、超音波によってアポクリン汗腺を壊します。
さらに破壊したアポクリン汗腺を吸引して除去していきます。手術にかかる時間は40分から2時間程度と比較的短く、切開する部分が小さく傷跡も目立ちにくいというメリットがあります。
一方で、皮下で行うためアポクリン汗腺の除去を医師が目視で確認できないというデメリットもあります。そのため、汗腺の取り残しができてしまいすそわきがが再発する可能性の高い方法であるといわれています。
また、実際に手術を経験した人の中には、麻酔がとても痛かったという感想を述べている人もいますし、色素沈着の原因になったり、術後は通院する必要もあります。
術後3日間はシャワーも不可で、1週間程度は入浴を控えなければなりません。仕事をしている方などはスケジュールに余裕のあるときにしか行うのが難しいのではないでしょうか。
また、麻酔にはリスクがつきものですので、アポクリン汗腺除去手術を検討する際は医師にメリットだけでなくデメリットや想定されるリスクなどを説明してもらい、よく相談するようにしましょう。
電気凝固法で汗腺を凝固させる
電気凝固法は手術とは異なりメスを使いません。毛根から少し離れた場所に針を指して高周波電流を流します。
高周波電流を流すことで、毛根やアポクリン腺やエクリン腺も凝固させるので、においだけでなく汗の発生も抑えることができます。
また、毛根も固めることができるため、脱毛と同じように毛を減らすことが可能です。手術のように傷跡も残らず、私術自体も30分程度と手術と比べると短い時間で済みます。
施術後の制限もなく、当日からシャワーを浴びることも可能で、すぐに仕事などの日常生活を送ることが可能です。ただし、2~3ヶ月に1回の通院を2~6回繰り返す必要があり、一度だけで完璧な効果を出せるものではないようです。
2回で15万円程度かかり、保険適用はありません。2~4回程度で済めば手術よりも費用を抑えることができるかもしれませんが、何回施術が必要かは個人差があり、やってみないとわからないという部分もあるので、完全にすそわきがが気にならなくなるまでの費用が見積もりにくいというデメリットもあります。
また、汗腺を除去するわけではないのですそわきがが短期間のうちに再発する可能性もあります。脱毛に関しては半永久的な効果があるようです。
ミラドライ
ミラドライはマイクロウェーブを照射することでエクリン腺とアポクリン汗腺を熱によって破壊する方法です。これによって汗の量やにおいを改善することが可能です。
ほぼ1回の治療で半永久的な効果を期待することができます。施術前には麻酔をしてからマイクロウェーブを照射します。照射後は冷却してお肌を休めます。
だいたい1時間くらいかかるようです。麻酔をするので施術中の痛みを感じることはありませんし、麻酔が切れてからの痛みも手術と比べると少ないようです。
施術後に通院する必要もなく、翌日から日常生活をおくることが可能です。費用は25万円程度かかり、保険適用はありません。皮膚下及び脂肪上層の2~3mmに存在しているエクリン汗腺とアポクリン汗腺に効果があるのですが、もっと深い場所に存在しているエクリン汗腺やアポクリン汗腺は破壊できないというデメリットもあります。
ウルセラドライ
ミラドライと似た治療にウルセラドライがあります。ミラドライがマイクロウェーブを利用しているのに対して、ウルセラドライは超音波を利用します。
エコーで皮膚の断層をチェックしながら、高密度超音波を照射して汗腺を焼却していくので、目視で確認することができない手術(超音波吸引法)よりも確実性が高いといえます。
アポクリン汗腺には効果が高いのですが、皮下の浅いところに多いエクリン腺への効果はやや劣るようです。ですので、アポクリン汗腺からの汗やにおい改善には効果的ですが、エクリン腺からの発汗による多汗には少し効果が薄いです。
回数は1回で完治する方もいれば2回以上治療が必要な方もいるようで、個人差があります。治療時間は約40分くらいで、シャワーも当日から可能です。
術後は赤みや軽度の熱傷になることもありますが、軟膏や抗炎症剤でケアしていきます。日常生活に制限はありません。1週間後くらいに一度検診が必要です。費用は保健が適用されず、だいたい30万円程度です。
ビューホット
ビューホットは高周波でエクリン腺とアポクリン腺を破壊し、汗やにおいを改善します。皮下1mmの深さに針をさし、その後0.5mm刻みで3.5mm程度の深さまで進んでいきます。
この針から高周波が出て、皮下にある汗腺を破壊できるという仕組みです。「針をさすなんて痛そう!」と怖いかもしれませんが、施術前には局所麻酔をしますし、装置に冷却機能もついているようなので極端に怖がる必要はなさそうです。
治療は1回~2回で完了し、術後は通院も不要です。当日からシャワーも浴びることができますし、仕事やスポーツなど日常生活をおくることが可能です。
費用は保険適用がなく35万円と手術と同程度です。30歳くらいまでは成長細胞が活発なため、人によっては再発する可能性もあるようです。また、針をさすため術後すぐは赤くポツポツと跡がつき、だいたい1ヶ月程度は針の跡が残るようです。
ペアドライ
ウルセラドライとビューホットを組み合わせた治療がペアドライです。皮下の比較的浅い部分にあるエクリン汗腺と皮下の比較的深い部分にあるアポクリン汗腺を2つの機械を使うことで両方ともより効果的に処理していきます。
ウルセラドライが皮下3~4mmに存在しているアポクリン汗腺に効果的である一方、皮下の浅いところにあるエクリン汗腺には効果が低いのですが、皮下1mmの深さから治療が可能なビューホットを組み合わせることでエクリン腺も破壊して汗を抑える効果を高めることが可能です。
また、ビューホットでは届きにくい皮下4mmくらいの比較的深い部分はウルセラドライによって確実にアポクリン汗腺を処理していくことが可能です。
簡単にいえば、ビューホットは皮下の浅い部分、ウルセラドライは皮膚の深い部分が得意で、それぞれの利点を活かして治療効果を高める方法というわけです。費用は保険適用ができず38万円程度と手術と同じか少し高いくらいです。
規則正しい生活
すそわきがのにおいを助長するのが、「ストレス」や「タバコ」です。
過度にストレスがかかると、アポクリン汗腺が刺激されて活発になるためすそわきがの症状がひどくなる場合があります。
睡眠不足もストレスになりますので、しっかり睡眠を取ることも大切です。また、適度な運動はストレス発散にもなりますし、運動でかく汗はにおいの元になりにくいエクリン腺から出る汗なのでアポクリン汗腺から出るにおいのもとになる汗とは異なります。
タバコに含まれているニコチンには発汗作用があり、汗の分泌を促してにおいやすくなることもあります。
タバコは肺にもよくありませんし、喫煙者ですそわきがに悩んでいる方は思い切って禁煙を検討してみるのもよいかもしれません。