水を分類する際に、よく「軟水」「硬水」という言い方をします。この軟水、硬水というのは水に含まれている成分によって分類したもの。
具体的にはその水の中にカルシウムやナトリウムといったミネラル分がどの程度含まれているかを基準とした分け方になります。
その線引きは国や地域によって異なりますが、ここではアメリカの基準をベースとした日本の軟水、硬水について見てみることにしましょう。
軟水、硬水を分類する元となる「硬度(単位:mg/L)」は【カルシウム量(mg/L)】×2.5+【マグネシウム量(mg/L)×4.1】という式で求めることができます。日本の場合、硬度が100mg/L以下であれば軟水、300mg/L以上であれば硬水と呼ばれ、その間の100~300mg/Lのものを中硬水と呼んでいます。
■ミネラル分の少ない水、軟水の特徴<br/>
・クセがなく口当たりがまろやか
・素材を引き立て、旨みを引き出すため日本料理に合う
・お米をふっくらと炊きあげる
・吸収が良く体に優しい
・赤ちゃんのミルクを作る際の水としても最適
・肌に優しくお風呂用のお湯、洗濯用の水として適している
■ミネラル分豊富、硬水の特徴
・飲んだときにクセを感じる
・硬度が特に高いものになるとミネラル分が苦味や渋みがあり、日本人にはやや飲みにくさも
・灰汁が出やすく肉の臭みを取るため、洋風料理に合う
・ご飯がパサつくため、お米を炊くのには合わない
・スポーツ後の栄養補給やダイエットに適している
・胃腸が弱い方の中には硬水によって下痢を起こす場合も
ちなみに日本の水はほとんどが軟水にあたり、ヨーロッパの水は硬水が多く見られます。和食やフランス料理、イタリア料理が持つそれぞれの特徴は、水の性質によるものだと考えると面白いですね。
また、旅行先でお腹を壊したという場合、飲んだ水が硬水であることが原因だった可能性もあります。